オッズをチェックする際に「異常人気」という言葉を使います。
ということは、「異常」があるからには当然「正常」もあるわけです。
その正常の数値がまさに基準オッズということになります。

まず、オッズというものに就いて考えましょう。
イギリスなどで行われているブックメーカー方式の賭けの場合、オッズはそのブックメーカーの考える強さ(順位)ということになるでしょう。
ブックメーカーが違えばオッズも異なるし、同じブックメーカーでも賭ける時期が違えばオッズも異なります。(ブックメーカーの場合、賭けた時点でのオッズが確定オッズ)
馬券は賭ける者とブックメーカーとのサシの勝負です。

日本の場合の馬券はパリミュチェル方式で胴元(中央競馬の場合はJRA)が独占的に馬券を発売してファンによる、「この馬が強いであろう」「この馬が勝つであろう」「この馬に勝って欲しい」、という一種の人気投票によってオッズは作られています。
胴元がテラ銭を取って残りを競馬ファンの間での奪い合いです。
ではその人気は何によって形作られるのでしょうか?
やはり1番の要素は競馬専門紙とスポーツ新聞の印。紙媒体の衰退により競馬専門紙はこの所休刊もありますが、やはり影響は大きい。
特にこの所その存在感を増しているのがスポーツ新聞。
競馬専門紙に比べれば格段にリーズナブルなうえ、野球や芸能面などで移動時間の暇つぶしにもなり、競馬場やウインズでの場所取りにも使えるしね。
競馬専門紙が枠確定と同時に刷り始めて時間を争って売店の店頭に並べられるのに対してスポーツ新聞は一部を除いては当日の朝の発売。編集にも時間をかけることが出来、競馬専門紙の内容も反映しているかもしれなせん。詳細な調教時計と厩舎コメントを必要としない場合はスポーツ新聞で十分といえるかもしれません。
まあそれでも、競馬場やWINSでの競馬ファンは多くが競馬専門紙を手にしています。特化した情報源を確保しておいきたいということでしょうか。
競馬専門紙でもシェアによって影響力に違いがあります。それはスポーツ新聞でも同じこと。更に細かいことをいえば、競馬専門紙、スポーツ新聞共に、地上波、BS,CSを含めて競馬番組に出演しているトラックマン、記者の印も人気に影響します。
特にBSやCSで放送される競馬番組を視聴しているのはコアな競馬ファンで土曜の午前中からでも馬券で勝負します。そういう売り上げの少ないレースでメディアの露出度の高いTMが注目馬として挙げれば紙媒体の印以上に人気を集めます。

各メディアの印が人気の概ねを占めますが、その他にも人気に影響を与える要素はあります。
ひとつ血統。
特に新馬戦では良血馬は印以上に人気をします。
あの馬の下だから、あの馬の子供だから、で人気を集めるのは競馬がブラッドスポーツだからでしょう。
更には騎手。
メディアの印の同じくらいの馬に、年間100勝を挙げる騎手と年間勝ちクラ10勝前後の騎手とが騎乗していた場合、当然前者の方が人気をします。
競馬ファンは騎手にも敏感に反応することは覚えておきましょう。

それらの人気になるであろう要素を総合して算出したものが基準オッズです。